入れ歯(義歯)
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一度失ってしまった歯は、残念ながら戻ってきません。失った歯を補う治療のひとつが、義歯(入れ歯)です。義歯(入れ歯)は、食べるための道具というだけでなく、口腔の機能(構音・審美・嚥下など)の回復や、かみ合わせをさらに悪化させないようにするなど、とても大切な役割を果たします。
咀嚼(そしゃく)
食事を楽しむ喜びを取り戻す:義歯を装着することで、噛む力が回復し、さまざまな食べ物を楽しむことができます。
※咀嚼(そしゃく):食物を細かくなるまでよく嚼(か)むこと。
発音機能
発音を助ける構音機能のサポート:失った歯を補うことで、空気が漏れにくくなるので滑らかな発音が可能となります。
審美
美しい口元を保つ審美性の向上:歯の欠損を補うことで、自然な口元のかたちを取り戻すことができます。
嚥下機能
飲み込む動作を支える嚥下機能の回復:義歯が正しい噛み合わせを補うことで、嚥下の動作がスムーズになります。
力の適正配分
歯や歯周組織にかかる力のコントロール:義歯を入れることで、他の歯へかかってしまう噛む力を適切にコントロールすることで残った歯や顎関節、歯周組織への過度な負担を軽減することができます。
当院では、患者様一人ひとりの状態やご希望に合わせた最適な義歯をお作りし、快適な日常生活をサポートいたします。見た目の自然さと機能性を兼ね備えた義歯を通じて、皆様の生活の質を向上させるお手伝いをさせていただきます。

入れ歯についての悩み
✓ 見た目が気になる。自然に見える入れ歯が欲しい。
✓ 話しにくい、発音がはっきりしない。
✓ 食べ物がうまく噛めず、好きなものが楽しめない。
✓ 入れ歯が外れやすい、安定感がない。
✓ 入れ歯の使用で口内に痛みや違和感がある。
✓ 金属アレルギーが心配で、素材について知りたい。
✓ 手入れが面倒で、簡単に扱える入れ歯を探している。
✓ 自費治療と保険治療の違いがよくわからない。
✓ 長く使える入れ歯が欲しいが、耐久性が心配。
✓ 初めての入れ歯で、何を選べばいいのかわからない。
入れ歯(義歯)とは?
入れ歯(義歯)とは、失った歯を補うための治療のひとつです。入れ歯(義歯)には種類があり、歯が1本もない状態に用いられるのが総入れ歯(総義歯)。歯が1本でも残っている場合に用いられるのが部分入れ歯(部分義歯)です。
義歯の作製には、口腔内の前処置・歯型の採得(1~3回)・かみ合わせの採得・試適(歯並びの確認)・義歯完成(お渡し)・そして義歯調整というステップがあります。義歯の設計は多様でありますので、当院では患者さんに合った最善の治療を提供できるよう、ていねいな説明に努めています。
総入れ歯(総義歯)と部分入れ歯(部分義歯)
入れ歯には、大きく分けて以下の2種類があります。
総入れ歯(総義歯)
すべての歯を失った場合に使用されるもので、上顎・下顎全体をカバーします。
部分入れ歯(部分床義歯)
一部の歯が残っている場合に使用されるもので、残存歯を支えにして固定されます。
患者様の口腔内の状態や生活スタイルに合わせて、最適なタイプを選択します。
入れ歯作製の流れ
入れ歯の作製には、以下のようなステップがあります。
1)前処置:虫歯や歯周病の治療、残存歯の状態を整える。
2)歯型の採取:患者様の口腔内の精密な型を採取します(1~3回程度)。
3)かみ合わせの確認:適切な噛み合わせを再現するための測定を行います。
4)試適:仮の入れ歯を口腔内に入れ、歯並びや形状を確認します。
5)完成・お渡し:最終的な義歯を仕上げ、患者様にお渡しします。
6)調整:使用感に合わせて微調整を行い、快適な装着感を実現します。

患者様に寄り添った治療
入れ歯の設計や素材は多岐にわたり、それぞれ特徴やメリットがあります。当院では、患者様の生活スタイルやご希望をしっかりお伺いし、最善の選択をご提案します。
また、初めて入れ歯を作られる方でも安心して治療を受けていただけるよう、ていねいでわかりやすい説明を心掛けています。
入れ歯は患者様一人ひとりに合わせて作製されるオーダーメイドの治療です。正確なフィット感と快適な使用感を追求し、皆様の日常生活をより快適にサポートいたします。
「義歯」と「入れ歯」実は違う
「義歯」と「入れ歯」は、一般的には同じ意味で使われることが多いですが、正確には少し異なる意味を持っています。
義歯
歯科の専門用語で、失った歯を補うために作られる人工の歯全般を指します。部分入れ歯や総入れ歯のほか、ブリッジやインプラントも含まれる場合があります。つまり、「義歯」はより広い意味を持つ専門的な言葉です。
入れ歯
一般的な日常用語で、義歯の中でも取り外しができるものを指すことが多いです。部分入れ歯や総入れ歯がこれに該当します。
簡単に言えば、「入れ歯」は「義歯」の一部であり、取り外し可能なものを指します。一方、「義歯」は、歯を補うための人工物全体を意味します。
さくま歯科医院では、患者さん一人ひとりの状態に応じて、最適な治療方法を提案し、義歯や入れ歯についての疑問や不安をしっかりと伺います。
気になる点があればお気軽にご相談ください。
入れ歯(義歯)の種類
入れ歯(義歯)には、総入れ歯(総義歯)、部分入れ歯(部分義歯)ともに、保険適用のものと保険適用外のものがあります。さらに、素材によってさまざまな種類があります。

総入れ歯(総義歯)
総入れ歯(総義歯)は、「床(しょう)」と呼ばれる土台に「人工歯」が並び、床を歯ぐきに吸着させて装着します。
部分入れ歯(部分義歯)
部分入れ歯(部分義歯)は、人工歯のついた床を残った歯に「クラスプ(バネ)」をかけて安定させるもので、欠損が1本だけの場合から歯が1本しか残っていない場合まで対応できます。部分入れ歯(部分義歯)には、金属のクラスプ(バネ)を使用したもの、クラスプ(バネ)がないものなどがあります。
入れ歯(義歯)素材・種類
保険適用の入れ歯(義歯)
レジン床義歯
義歯床がレジンと呼ばれる合成樹脂(プラスチック) の床で、できています。金属のクラスプ(バネ)の形や材料は少ない選択肢の形態から選択するよう決められており、設計に制限が出てきます。
金属のクラスプ(バネ)がついているので、見た目がよくない、入れ歯であることを気づかれやすい、などのデメリットがあります。
また、強度を上げるために床を厚くする必要があり、装着時に違和感があったり、食べ物の温度が伝わりづらくなったりする場合があります。
このような不便な点はありますが、保険適用外の義歯に比べて治療費は保険が適用されるので安価です。

メリット
・保険が適用されるため安価。
・加工や調整、修理がしやすい。
デメリット
・においや汚れが吸着しやすい。
・変色や磨り減りが起こりやすい。
・割れることがある。
・装着時に違和感があることが多い。
・食べ物の温度がわかりづらくなる。


保険適応外のの入れ歯(義歯)
金属床義歯
保険適応のレジン床義歯に比べて内側を薄くすることができるので、装着時の違和感が少なく、発音がより明瞭になります。
熱伝導率はプラスチックより高いので熱いものは熱く、冷たいものは冷たく感じます。

メリット
・装着時の違和感が少ない。
・食べ物の温度が伝わりやすい。
・割れにくく変形もしにくい。
デメリット
・保険が適用されないので高価。
・破損したときの修理がむずかしい。
・金属の種類によっては金属アレルギーを起こす場合がまれにある。
ノンクラスプ義歯
金属のクラスプ(バネ)の代わりに、歯ぐきに似たピンク色をした特殊なプラスチック製の留め具を使った部分入れ歯(義歯)です。歯茎の色に近い材質で歯を囲む設計になっています。
ノンクラスプ義歯は、クラスプ(バネ)が目立ちにくく、見た目がよいのが大きな特長です。クラスプ(バネ)を前歯にかけないと維持安定が図れない欠損症例に用います。
ただ、保険が適用されないので高価です。残っている歯の状態によっては使用できないケースも。素材自体の寿命があまり長くなく、使用する素材によっては修理が困難な場合もあります。



メリット
・クラスプ(バネ)が他人から目立ちにくい。
・丈夫で柔軟性がある。
・土台となる歯を削る必要がない。
デメリット
・保険が適用されないので高価である。
・残っている歯の状態によっては使用できない場合がある。
・樹脂部分の修理が困難なことが多い。
マグネット義歯
自分の歯の根だけを残し、表層に磁性材料(キーパー)を取り付け、これに合わせて義歯を作製します。完成後、磁性材料と対応する部分(義歯の内面)に磁石構造体を取り付け、吸着力だけでなく磁力による維持安定を図ります。

マグネット義歯は、クラスプを使わないので見た目がよく、しっかり固定されるので安定感があります。噛みごたえがよく、取りはずしも簡単です。マグネットを金属床義歯に組み合わせることもできます。
しかし、保険は適用されず高価です。歯周病などでぐらつきのある歯根では利用できません。また、磁気アレルギーがある人には不向きです。
メリット
・クラスプ(バネ)を使わないので入れ歯が目立たない。
・安定感がある。
・噛みごたえがよく、取りはずしも簡単。
・歯周病でクラスプ(バネ)をひっかけにくい歯についても、歯の状態が悪くなければマグネットを使用できる。
デメリット
・保険が適用されないので高価。
・大きくぐらつきのある歯根では利用できない。
・磁気アレルギーがある人には不向き。
・歯を加工して磁性材料を装着しなくてはならない。
インプラントオーバーデンチャー
インプラントを顎骨に埋入し、その支えにより上にのる義歯をインプラントで維持、安定させる方法です。顎骨が減少し、義歯が吸着しづらい場合でもこの方法ができると動きがほとんどない義歯が作れます。
また、欠損本数が多く、インプラントがその本数まで入れられない場合にもよく用いられます。
しかし、インプラントを埋め入れる外科手術が必要となるため、費用と身体への負担が増えるというデメリットがあります。

メリット
・義歯が吸着しづらい場合でも動きがほとんどない義歯が作れる。
・欠損本数が多く、インプラントがその本数まで入れられない場合でもOK。
デメリット
・保険が適用されないので高価。
・外科手術が必要となるため、身体への負担が増える。
差し歯(さし歯)
差し歯について天然の歯根に土台を取り付けてさらにその上に歯の形をした修復物を取り付ける方法です。土台はとても重要で、その選択が歯の寿命に大きくかかわることもございます。メタルやスクリューで作る場合は咬む力によるダメージが大きく、歯根が割れてしまうことがよくあります。
これは、木材(歯根)釘(メタルポスト)を毎日打ち付ける(噛む)ことを長期間行えば、木材が割れやすくなる現象と似ています。
一方、グラスファイバーで作る場合は天然歯の固さ・弾性に近いので、歯根にできるだけ亀裂を作らないよう保護するうえではグラスファイバーでできたポストがおすすめです。
当院では歯を長持ちさせるため、メタルの土台は特殊なマグネット義歯以外にはほとんど用いず、ファイバーポスト、レジンコアなどを使用しております。

保険適用の入れ歯(義歯)と保険適用外の入れ歯(義歯)の違い
保険適用の入れ歯(義歯)のメリット
・保険が適用されるため安価。
・加工や調整、修理がしやすい。
保険適用の入れ歯(義歯)のデメリット
・においや汚れが吸着しやすい。
・変色やすり減りが起こりやすい。
・装着時に違和感を覚える場合がある。
・食べ物の温度を感じづらい。
・落ちたり、はずれたりする場合がある。
保険適用外の入れ歯(義歯)のメリット
・装着時の違和感が少ない。
・食べ物の温度を感じやすい。
・落ちたり、はずれたりしにくい。
・入れ歯であることをまわりに感じさせない。
保険適用外の入れ歯(義歯)のデメリット
・高価である。
入れ歯(義歯)治療の流れ
入れ歯(義歯)の作製には、口腔内の前処置、歯型の採得(1~3回)、かみ合わせの採得、試適(歯並びの確認)、義歯完成(お渡し)、そして義歯調整というステップがあります。
入れ歯(義歯)の設計は多様です。当院では患者さんに合った最善の治療を提供できるよう、ていねいな説明に努めています。
STEP1 カウンセリング・検査
お口の中の状態や入れ歯(義歯)を確認し、治療計画を立てます。患者様のご希望に合った入れ歯(義歯)を提案し、費用についても相談させていただきます。
STEP2 型取り・噛み合わせの決定
型取りをおこない、入れ歯(義歯)を設計していきます。
STEP3 入れ歯(義歯)の作製
患者様のご希望に合った入れ歯(義歯)製作を目指します。
STEP4 治療完了
かみ合わせや装着感を確認し、必要に応じて調整をおこない、治療が完了します。
STEP5 メンテナンス
快適に入れ歯(義歯)を使い続けられるよう、定期的なメンテナンスがおすすめです。
入れ歯(義歯)を選ぶときは医師としっかり相談を
入れ歯(義歯)を作る場合、保険が適用されるかどうかによって、種類や費用が大きく変わります。入れ歯(義歯)を選ぶ際は、まずは歯科医師に自分の口の中の状態をよく診てもらい、どのような入れ歯(義歯)がよいかなどをよく相談しながら決めていくことが大切です。
また、入れ歯(義歯)を装着してからも入れ歯(義歯)が合わなかったり、痛みを感じたりするなどの不都合があったら、歯科医師に相談することも大事。定期的なメンテナンスや検診を心がけましょう。
長く入れ歯(義歯)を使っていくうえで毎日の入れ歯のお手入れもポイントです。研磨剤などが入った一般的な歯磨き粉は入れ歯(義歯)を傷つけることがあるため、入れ歯専用のものを使うなど、入れ歯(義歯)に合った手入れ方法をしっかりとマスターしましょう。

【Q&A】入れ歯(義歯)よくある質問
Q. 入れ歯にすると話しづらくなりませんか?
A. 入れ歯に慣れるまでは少し話しづらさがあるかもしれませんが、ほとんどの方は問題なく発音できるようになります。どうしても気になる方は、保険適用外とはなりますが、可能な限り薄い入れ歯を作製しますので、お気軽にご相談ください。
Q. 部分入れ歯(義歯)の金属が気になります。対策はありますか?
A. 部分入れ歯の金属のクラスプ(バネ)を気にする方は多いです。保険適用の部分入れ歯(義歯)のクラスプ(バネ)は、どうしても目立つ設計になってしまいます。
一方、保険適用外の部分入れ歯(義歯)ですと、クラスプ(バネ)がほとんど目立たない、あるいはクラスプ(バネ)そのものを使用しないものもあります。患者様のお口の状態、ご希望などに合わせ対応いたしましので、まずはご相談ください。
Q. 入れ歯(義歯)とインプラント、どちらにするか迷っています。
A. 入れ歯(義歯)とインプラントには、それぞれメリット、デメリットがあります。たとえば、入れ歯(義歯)は、手術の必要がなく、体への負担を軽減できます。
また、入れ歯(義歯)は何度でも作り直すことができますが、インプラントは再治療ができません。一方、インプラントは自然歯のようなかみ心地や見た目が大きな魅力です。
当院ではインプラント治療もおこなっていますので、入れ歯(義歯)とインプラント、その両方のメリット、デメリットなどをしっかりご説明したうえで、どちらの治療を選ぶか、選択していただけます。
まとめ
入れ歯(義歯)には、保険適用のもの、保険適用外のものがあり、使用する素材にもさまざまな種類があります。そして、それぞれに特長があるので、どのような入れ歯(義歯)を希望しているのか、予算はどれくらいなのかなど、歯科医師とよく相談し、よりご自身に合った入れ歯(義歯)を実現しましょう。
何かご質問やお困りのことがありましたら、当院スタッフまでお気軽にご相談ください。
